見直し項目 10:税制優遇制度の活用
NISAとiDeCo、初心者はどちらから考えればいい?
公開日:2026年9月28日/更新日:2026年9月28日
結論
- いつでも引き出せるNISAから検討する考え方が一般的
- iDeCoは原則60歳まで引き出せない。所得税・住民税がかからない方は所得控除の効果がない
- 投資には元本割れの可能性がある。基本は長期・積立・分散・低コスト
NISAとは?
投資で得た利益に税金がかからない国の制度です。通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座ではかかりません。いつでも売却して引き出せます。
iDeCoとは?
自分で掛金を出して運用し、老後に受け取る年金制度です。掛金が所得控除(税金が軽くなる仕組み)の対象になります。
ただし、原則60歳まで引き出せません。また、所得税・住民税がかからない方は、掛金の所得控除の効果がありません。
初心者は、どちらから考えればいい?
流動性(必要なときに引き出せるかどうか)の観点から、初めての方はNISAを先に検討する考え方が一般的です。
iDeCoは、原則60歳まで引き出せないことを理解したうえで、老後のための資金として別に考える方法があります。所得税・住民税がかからない方は、掛金の所得控除の効果がない点にも注意しましょう。
始める前に確認しておきたいことは?
生活防衛資金や、近い将来使う予定のお金は、投資に回さないのが一般的な考え方です。
投資には元本割れ(預けたお金より減ること)の可能性があります。基本は「長期・積立・分散・低コスト」です。
「必ず儲かる」と誘われたら?
SNSや知人から「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」などと誘われたら、詐欺の可能性が高いです。お金を振り込む前に、消費者ホットライン「188」や金融庁の相談窓口に相談しましょう。
よくある誤解は?
誤解:NISAなら損をしない
実際は:NISAは税金の扱いが優遇される制度で、値下がりしないことを保証するものではありません。
誤解:iDeCoは誰でも税金が安くなる
実際は:所得税・住民税がかからない方は、掛金の所得控除の効果がありません。また、原則60歳まで引き出せません。
関連する制度は?
制度は改正されることがあります。最新の情報は、出典の公的機関のサイトでご確認ください。
NISA(少額投資非課税制度)のしくみ
投資で得た利益(売却益や配当・分配金)に税金がかからない制度です。「つみたて投資枠」(年120万円まで)と「成長投資枠」(年240万円まで)があり、併用できます。生涯で非課税で持てる金額の上限は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)で、非課税で持てる期間に期限はありません。売却すると、その分の枠は翌年以降に再び使えます。成年(18歳以上)の方が利用できます。
出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」(情報の基準日:2026年9月28日)
NISAでも元本割れの可能性はあります
NISAは税金の扱いが優遇される制度であり、値下がりしないことを保証するものではありません。また、NISA口座で出た損失は、他の口座の利益と相殺(損益通算)できません。
出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト「よくある質問」(情報の基準日:2026年9月28日)
iDeCoは原則60歳まで引き出せません
iDeCo(個人型確定拠出年金)は老後の資産づくりのための制度のため、原則として60歳になるまで引き出せません。受け取りは60歳から75歳までの間で選べます(加入期間が10年に満たない場合、受け取り開始できる年齢が遅くなります)。
出典:国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」(情報の基準日:2026年9月28日)
iDeCoの掛金は所得控除の対象です
iDeCoの掛金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、所得税・住民税が軽くなります。ただし、所得税・住民税がかからない方は、この控除による効果はありません。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1135 小規模企業共済等掛金控除(情報の基準日:2026年9月28日)
iDeCoの掛金の上限(月額・現行)
掛金の上限は、働き方や勤務先の企業年金の有無によって異なります。自営業・フリーランスなど(第1号)は月6.8万円(国民年金基金・付加保険料と合算)、会社員で企業年金がない方は月2.3万円、会社員で企業年金がある方と公務員は月2.0万円(企業年金などの掛金と合わせて月5.5万円以内)、専業主婦・主夫(第3号)は月2.3万円です。
出典:厚生労働省「確定拠出年金制度の拠出限度額」(情報の基準日:2026年9月28日)
iDeCoに加入できる年齢(現行)
公的年金に加入している方が対象で、原則として65歳未満の国民年金の被保険者(60歳以上は会社員・公務員や任意加入被保険者など)が加入できます。
出典:国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト(情報の基準日:2026年9月28日)
決定済み・2026年12月1日から
iDeCoの制度改正(掛金の上限・加入できる年齢)
2026年12月1日から、iDeCoの掛金の上限が引き上げられ、加入できる年齢も広がります。掛金の上限(月額)は、自営業・フリーランスなど(第1号)が月7.5万円(国民年金基金などと合算)、会社員・公務員(第2号)が月6.2万円(企業年金などの掛金と合算)、専業主婦・主夫(第3号)は月2.3万円のまま変わりません。また、60歳以上70歳未満の方も、一定の要件(老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないことなど)を満たせば加入・継続できるようになります。新しい上限は2026年12月分の掛金(2027年1月の引き落とし分)から適用されます。
出典:厚生労働省「DC拠出限度額(令和8(2026)年12月〜)」(情報の基準日:2026年9月28日)
比べるときのポイントは?
NISA口座(証券会社など)の比べ方で、比較の基準をまとめています。
次に読むなら?
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の助言ではありません。特定の金融商品・保険商品・金融機関を推奨するものではありません。